自動車の整備士に聞く

メカニックが年末に行うことは、工場の清掃、つまり美観を整えるだけではない。
もっとやるべきことがある。

それは、作業を早く、確実に行うための３Ｓ、いわゆる作業効率だ。
３Ｓとは、整理・整頓・清掃のこと。

先ずは、キャディーに搭載されている工具・計測器・消耗品・スプレー缶などの整理だ。
特に、工具の整理は念入りに進めてほしい。

整理とは、念のためだが「必要と不要とを区分し、不要品を処分すること」である。
平たく言えば、極力搭載工具を減らして、スッキリすることだ自動車診断機。

同じツールが複数ある場合は一つにする。
壊れたツールは捨てる（修理出来る場合は直す）。こうしたことで、３段キャディーの
下２段に搭載できる工具の数が理想だ。
どうだろうか頭の中で、ツールの置き場所が分かる範囲の数にすること。

引き出しの棚を引き出して探すようでは、メカニックとして落第である。
自分の手足の代わりをするのが工具だから、見なくても取り出せるぐらいになってほしい。



数を減らすことが無理であれば、作業別に工具を分けて、
キャディーを複数持つことである。これは、不経済だし、場所を塞ぐのでお勧めは
出来ない。

キャディー内の整理整頓が済んだら。
共用工具の整理整頓だ。
特に、整頓に力を入れてほしい。

整頓とは、必要なのモノを、必要な数だけ、合理的に配置する、ことである。
車検整備作業に必要な共用工具は、車検整備作業ストールに近い場所に、分かりやすく
配置すること。

例えば、サイズの表示を大きく書いておくことや、現物と同じ形を描いておくことなどだ。
つまり、探さなくてもいいように、使ったものを元に戻しやすいように、することがポイントである。

また、工具を収納、するのではなく、見えるように展開することだ。
そのためにも、キャビネットに仕舞い込むのではなく、壁掛け方式や棚置き方式が
お勧めである。

モノの配置やキャディー内の工具の２Ｓが終わったら、清掃を行うこと、
清掃は、拭いたり、掃いたりするだけではなく、塗装が剥げていたら塗る、
動きが悪いようだったら、潤滑油を給油する。こうしたことも清掃である。

作業関係の３Ｓが終わったら、最も重要な「クレーム」の振り返りをしてほしい。
クレームには、対応クレームと技術クレームがある。両方の振り返りが必要。
この振り返りをしないと自身の成長はないOBD2スキャンツール。

自分自身のクレームがない場合には、他の人のクレームから学ぶことだ。
どんな内容のクレームが多いいのか、どのような原因でクレームになるのか、こうしたことを学習する
ことは、自分が経験できなことを教えてくれる、貴重な教材になる。

クレーム報告書を読み、根本原因に対する根本対策が、間違っていないかを検証してほしい。
検証の結果、間違いないと確信できたら、そのように運用・運営されているかを確認してほしい。

仕事納めの日は、翌年に向けて、技術向上目標と、作業効率化目標を立てること。
技術向上目標は、自分の弱点の克服と、新しい技術への挑戦目標だ。

技術向上目標には、「接客技術目標」も加えること。
接客マナー、言葉使い、立ち居振る舞いの３ついての不足している内容のマスター目標を立てる。

作業効率化目標とは、作業時間の短縮目標である。一台当たりにの作業時間を平均何分、何秒
縮めるか、具体的な数値目標を立ててほしい。

数値目標が明確になったら、具体的な改善課題を抽出する。作業手順、作業環境（モノの配置など）、
工具工夫などの改善課題を出し、改善スケジュールを作成する。これで、新年を迎える準備ができた
ことになる。